かりんとうレビュー
生産者とお店の紹介
花・林・桃・源・郷 蔵久
長野県安曇野に広大な敷地を構える「蔵久」(くらきゅう)。ちょっとここは、普通のかりんとう屋さんではありません。
映画「犬神家の一族」のロケでも使われたという旧酒蔵・飯田邸を使った店舗は、お座敷でかりんとうを味わうことはもちろん、庭園が見渡せる外カフェや落語やコンサートなどのイベントも行われる多目的空間として、安曇野の観光スポットにもなっています。
今回インタビューに応じてくださったのは、蔵久のコンシェルジュ(お客様の要望を聞き、案内役を務める)・高橋 香さんです。なお、蔵久ではかりんとうのことを、お店の代名詞「花・林・桃・源・郷」にちなんで「花林糖-かりんとう-」と呼びます。
取材協力店:蔵久 高橋 香さん 長野県のかりんとう「源作」
まず、「源作」についてのこだわりを教えてください。
- 素材を厳選して、ひとつづつ丁寧に作ります。花林糖は湿気を帯びやすいので、個包装が良いのですが、和紙で包むことで個性を表現しています。大きくてごつごつして、見かけは素朴ですが、芯までしっかりと揚がった当社自慢の花林糖です。
「花林糖に金粉が振ってある!」と驚いたのですが、このアイディアどうして生まれたのでしょうか?
- 「源作・金」は、今までにない、最高級の花林糖にしたいと思いました。
- 形も大振りにし素材にもこだわり、金粉をまぶして高級感を出すまでの課程など、蔵久の中で花林糖の最高峰に位置するものを作りたかったのです。
確かに、大きくて重そうですが、意外とふんわりしていますね!
お店には、揚げ立ての花林糖を食べられるコーナーがあるということですが?
- はい、敷地内の「花林糖工房」では、季節に応じた揚げ立ての花林糖をその場で召し上がっていただくことができます。でき立ての、温かい花林糖は格別な味ということで、たいへん好評をいただいています。
「源作」の名前の由来を教えてください。
- 「源(みなもと)を作る」、ひとつひとつ心を込めて作るという意味でつけました。
お店が約2000坪もある登録有形文化財ということで、お掃除だけでも大変なのでは?
- (笑)たしかに、庭園の手入れや、日本建築の美しさを保つための掃除は欠かせません。いらしていただいたお客様に、昔の日本の暮らしぶりや豊かなたたずまいを感じていただければ嬉しいです。
最後に、今後の予定など教えてください。
- 2010年の6月25日で、蔵久がオープンして5周年を迎えます。
- 6月にはお客様への感謝の気持ちを込めて、昔なつかしい思いを感じていただこうと、色々なイベントを考えております。どうぞご期待ください。
丹精込めて作った花林糖を全国に発信する殿堂を作りたい、という気持ちで、蔵を構えた旧邸宅をかつてのように文化の発信点として再生させたという「蔵久」。三代続く老舗のかりんとう屋さんが、理想の地を求めてたどりついた桃源郷です。
付近には多くの温泉や美術館もあり、まさに芸術と文化の里。長野へお越しの際は、ぜひ訪ねてみてください。
蔵久店内
和座敷
庭園